人生のさまざまな苦楽の中で、自分の死後に家族や子孫が丁寧に遺体を清めたり、メイクを施したり、毎日顔を気にしてくれて、手を握り、声をかけ、安らかな姿のままで見送ってくれるというのは、まさに「人生の勝ち組」だと思うという話をさせて下さい。

※誤解を招きたくないのですが、遺体管理の倫理というものがありまして、私はどんな亡くなり方でも平等にケアサポートしております。今回は人生、という背景から見た考えです。


日本では、亡くなった後の遺体ケアを「エンゼルケア」や「死化粧(しにげしょう)」と言って一般的には、看護師や遺体従事者が専門的に行います。

おもかげでも同じような事をしていますが、他の遺体従事者との大きな違いは「死後の支度は家族が一緒にするべき」と私が思っている事だと思います。

以下理由

家族が死後の支度に参加した方が良い5つの理由

① 故人に触れて死をしっかり受け止めるため(死の受容)。

② 「私が最後にきれいにしてあげた」という体験が心の支えになるため。

③ 遺体従事者は生前の雰囲気を知らない → 家族が「ここをもう少し…」と調整すると“その人らしい顔”になるため。

④ 故人も「知らない人にいきなり触られる」より、家族にやってもらいたいはず

⑤ 「故人にできることは何でもしてあげたい…でもやり方がわからない」「やってあげたいけど失敗しそう」→ 遺体専門の私がそばでサポートします。必要であれば補正もします!そして火葬日まで私が責任を持つのでご家族もお子さんも皆で一緒にやりましょう!

↑このように家族がご遺体ケアに介入するメリットは多くても、デメリットはないに等しいのです。

お母さんがヘアセットをしてあげる☺️そう、毎日していたように!毎日していた事はなるべく死後も継続して頂いてます。主にマッサージが多いです。メイクも重ねずに、途中でメイクを落としてからまたメイクをします。


→ ご遺体におけるグリーフケアとして

家族の直接支度が役割感を与え、後悔を防ぐ」と思っています。


(触れ合いは絆の継続を支え、回復を促す)

冷たくなったお父さんの手をホッカイロで温めるお母さん。ご遺体にホッカイロ→同業者が見たら息が止まりそうですが、これは出棺前なのでご安心下さい。出棺前はドライヤーで顔を温めたり普通にします。(特に男性)メイクが自然になるからです。

日本は昔からは家族が湯灌(ゆかん:体を湯で洗い清める儀式)や納棺をしてきた伝統がありました。

実際、大正時代の家庭科の教科書には親族の女性が「最後の親孝行、最後の介護」と死後の支度をする項目があります。
(明治・大正女子教育史:良妻賢母教育で家庭衛生・被服が死生準備の基盤)

また、家族が手を添えたり、最後の身支度を手伝ったりするのは、故人への敬意と感謝を表す最後の機会になります。

一緒にメイクして綺麗にしてから、棺に入る。弟が塗ったネイルにダメだしする姉と笑う家族。そしていつものようにお母さんに触れる。
死後はますます腕が細くなるものだが、外見は問題ではない。子供達からしたらお母さんはどんな姿でもお母さんであるのだ。そこには神々しいほどの家族のつながり、大きな無性の愛を感じる。

他人が全て支度をする昨今

着付けからメイクまで、全任せのエンバーミング、着付けパフォーマンス所作パフォーマンスの納棺師…

このように死後の支度は全て他人が施してしまい、家族の役割などほぼほぼない事も普通なのが昨今の葬儀。

だからこそ、家族子孫が故人のケアに携わり触れて見送ってくれる環境は、今一度見直される必要があると思うし、もはやその体験は貴重になってきているのです。

家族と故人が関わる時間…長いようで短く、大切で且つ尊重すべき、何事にも変えられない時間。

生きてる間に家族の築いた絆がちゃんと残ってる証拠がそこにはあるのです。

おばあちゃんは何色が好きだったかなぁと選ぶ姉妹。おもかげでは死亡日から出棺まで毎日メイク直しに行くので、その都度姉妹に口紅をお願いした。生前オシャレなおばあちゃんらしく、唇は毎日色が変わっていた🤣

家族の愛

2025年現在は沖縄戦を経験したり、戦後の社会に翻弄されるなど、激動の時代を逞しく生きぬいて来た90〜80代の方々が死亡する時代である。

人生というステージにおいて、人生の完成である葬儀。そこにはおばあちゃんの孫やひ孫がいて、慣れない葬儀の雰囲気にテンションが爆上がりしたり、久々に会う親戚に緊張したり、様々であるが、「口紅塗ってみる?」と声をかけると「うん!」とこちらに寄ってくる。そして「おばあちゃん可愛いね」と死者を恐れることなく口紅やチークをしてくれる沖縄の子供達。

幼い子供達の存在感はとても明るく、優しい雰囲気でその場を包み込む。家族の皆さんが思い描いておられた、「明るく送ってあげたい」というご要望に近い光景であると思います。

「なんでおけしょうをするの?」と幼い女の子がお母さんに聞いた。

「おばあちゃんはもうお空に行っちゃったから、顔がちょっと白くなっちゃったの。

だから、おばあちゃんが元気なときみたいに、ほっぺをピンクにしたり、くちびるをきれいにしたりしてあげるんだよ。

そしたらおばあちゃん、『ありがとう、きれいになったね』って喜ぶんだよ。みんなも『かわいいおばあちゃん、またね』って優しい気持ちでお別れできるんだよ。」と、お母さんが答えました。

毎日おばあちゃんの顔を見ていると毎日表情が変わる事に気がつきます。

「昨日は酸っぱい顔してたけど、今日は優しい顔してるね。」

「何で顔が変わったのかな?」

「おけしょうしたから喜んでるんだよ」

次世代へのつながり

子供が自然に死を受け止め、別れを経験する姿が「次世代へのつながり」を象徴し、私達に希望や安心を与えてくれます。

子供が怖がらずに触れる様子は、大人の悲しみを和らげ、「みんなで故人を愛していた」と共有できる喜びになります。

また、小さい子供達は、死をまだ完全に理解していなくても、素直に「きれいにしてあげよう」と行動します。それは大人の心を強く揺さぶり、「こんなに可愛い孫ひ孫がいてくれた故人は幸せだった」と心から思えるのでしょう。

普段言葉で伝えにくい愛情が、子供の純粋な行動を通じて家族みんなに伝わり、心が温かくなります。

おじいちゃんの場合はおばあちゃんほどメイクをしないので家族の出番が少ないように思われるが、そんな事はない❣️綿花でできる花の作り方を教えておじいちゃんの顔の横に飾って貰う。既製品や私が作ったものではなく「家族が故人のために作る事」に意味があると思っている。

私が遺体安置時間にこだわる理由は、このように家族で故人を囲む時間が、悲しみの中でも「つながり」を強く感じさせる大切な時間だと確信しているからです。


あとがき………

私の原動力は「家族の愛」です。

勝手ながら皆様の溢れる家族愛を、ひしひしとすぐ隣で受け止めております。

葬儀に突然お伺いした「おもかげ遺体管理人・嘉陽果林」を受け入れ、信頼してくださった沖縄の家族様、葬儀屋様、医療・福祉・介護の皆様に、心より感謝申し上げます。

家族様におかれましては、突然のご不幸の中、たくさんのメッセージやお手紙、お心遣いをいただきました。至らない点も多かったかと存じますが、身に余る光栄です。

本当にありがとうございました。

これからも、ご遺体に関するお困りごとは、いつでもお気軽にご相談ください。

年中無休・明瞭会計を徹底し、どんなことにも誠心誠意対応いたします。

まだまだ至らない私ですが、これからも地域のため、社会のため、そして何より沖縄の皆様のために。身を粉にして貢献してまいります。

心より感謝を込めて。

(株)おもかげ 嘉陽果林