新年になりました⛩
今年は沖縄タイムスさんに掲載して頂いたので是非見て欲しいです。
遺族が一歩踏み出す後押しに
「遺族が故人の死を受け入れ、次のステージに一歩踏み出すお手伝いをすることが私の仕事です」
そう語るのは県内で遺体管理専門会社を営む嘉陽果林代表だ。
起業して8年目、日々遺体修復の技術を磨く中で独自の施術も編み出しながら、遺族に寄り添うグリーフケアを届け実績を重ねる。 向き合う 「死」 の数は年間500件を超える。その一つ一つと丁寧に向き合い、故人と遺族の思いに耳を傾け続けている。
嘉陽代表が大切にしていることは「少しだけ、 故人の時間を戻すこと」だという。 例えば病気で亡くなった方の、落ちくぼんだ目や痩せた頬など、 かつてのその方の顔から急激に変化した部分も、安易に消し去ることはしない。 家族が最後まで丁寧に看病を続け、 故人の生きる力を尊重した結果であるかもしれないからだ。 「簡単に生前の姿に戻すことはこれまでの家族の愛情を否定することに繋がりかねない」と話す。
遺族の思いに心を寄せながら、初日の修復はあえて亡くなるひと月ほど前の状態を再現する。 生前の面影を残しながらも、最期の日々を思わせる姿から始めることで、遺族の時間を少しだけ巻き戻し、少しだけ 「死」から遠ざける。
それが目の前の現実に混乱する遺族に心の猶予を作り、故人を送り出す環境を整える支えになるという。
近年、依頼が増えた浮腫除去は独学で取得した技術が生きる。 現場での実績を重ね、技術の進歩とともに遺族の信頼も高まった。現在は口コミで依頼が来ることも増え、「沖縄の社会で必要とされている仕事だと自信が持てるようになった」と話す。「仕事に支えられてここまできた。 その感謝を忘れず、最後までこの地で社会貢献できるよう努めたい」と力を込める。
追記:9年目になる今でも、私はどんなに忙しくても全ての現場で毎回「これでよかったのか、もっと出来る事はあったんじゃないのか」「家族は私に気を使って本心を言えてないんじゃないか」と振り返りをします。
昔からガサツで女らしくない優しくないと言われてきた私が、最後の大切なお支度を手伝ってよいのか?
いまだに私の身内に「その遺族さんはあんたで良いの?」「あんたの何が良いのかね?」と言われてるほど昔も今も頼りない私が、大切な死後の大事な場面に携わってよいものか…
いきなり現れた何の関係性のない馬の骨状態の私が、いきなり故人の腹水を抜いたりして故人は怒ってるんじゃないか…
今現在でも、毎日毎日毎日こんな事を考えています。
私はただの死後の専門職というだけで私自身本当に何もない人です。今世間で必要な自尊心、自己愛、自己肯定感などは皆無でしたし、身内も誰1人私という人間を尊重してくれる人はいなかったと思います。
そんな中、唯一私を認めてくれたのは沖縄県の遺族の方々でした。私を頼って私を信じてくれました。人に頼られて人に信じてもらえるという事は産まれて初めての感覚で、その人達の期待に答えるために私は頑張ろうと思ったのです。
その思いは強くなり、私を受け入れてくださった沖縄県の皆さんに恩返しがしたいと思いました。
私ができる事は、自分の専門分野を一歩踏み込んで提供することです。
死生観が独特な沖縄県の葬送文化を守ることは地域貢献につながり、ひいては社会貢献につながっていくと信じてこれからも頑張りたいと思います。
2025.1.3 株式会社おもかげ代表取締役 嘉陽果林