仏衣や白装束、経帷子(きょうかたびら)って聞いた事ありますか?
そうです。死者が着る、四国のお遍路様みたいな白い着物です。



とっても綺麗!
死装束は家族が用意する私服率95%をほこる沖縄県では仏衣がまったく流行りません。(県外は仏衣50%私服50%くらい)
そんなわたくし、7年ぶり位に仏衣を着せました。(白装束は全てピンクで箱に高級仏衣と書いてあった)
10年前の納棺師時代のものよりめちゃめちゃ着せやすい!商品改良されたのか、前から元々着せやすかったのか…生地がツルツルしてるから生地の送りがなんとスムーズ…黒留袖だとキチキチするし年季入ってるから生地が破れたりするし。
なにしろ、滑りやすくて着せやすい素材でビックリ。
口から出た真っ赤な体液、仏衣についたその汚れすらいとも簡単に落ちる生地は感動すら覚える。色は本当に高級感があって綺麗だし…文句のつけどころがない。

なぜこんなに素晴らしい商品
なのに沖縄では
流行らないのでしょうか?
※沖縄県は県全体が先祖崇拝思想なので、死後の考えとして(仏教のように)修行に行くのではなく、先立たれた先祖に会いに行くと本気で考えている。だから、見慣れない死装束とか着ていては本人認識がされないので、先祖のグループに受け入れて貰えないのでは…何しろ普段と違う服装は本人らしくないから良くない、と考えている人が多い。
※県外で言う「おじいちゃんがあの世で待ってるだろうね」のレベルでなく、一族の戦時中の死者まで遡り、その方々に持っていく副葬品(これをお土産という)を棺に入れる。
※沖縄ではご先祖様にお土産をもっていかないと、あの世で仲間外れにされてしまうと思われている。(結構本気で)
※死装束は故人の私服、オシャレ着、着物、スーツ、袴、など故人らしい服。
※全て新品を用意しなければいけないという考えでもなく、故人が服を持ってなかったら、親族がそれぞれ着せられるような服をパーツごとに持ってくる事もよくある。
※いくら檀家制度ではないからと言っても、お浄土に行く際に道に迷ったら困るので旅支度の案内はする。その場合白装束は棺桶の中に入れするに留まる(間違っても故人に着せたりしない)
※沖縄県民の思想は先祖崇拝ゆえに、the修行行きます!the幽霊です!the本土の風習です!という見た目の白装束スタイルをあまり好まない。今でこそ柔軟に対応してくれる県民だが、10年前くらいまでは旅支度の案内をしようとすると「ここは沖縄県だよ!!💢沖縄のやり方で行かないと💢」と怒鳴られてた先輩が懐かしい…