人間としてよくないなぁと思うことは、思わせぶりなことをして最後まで面倒見ない事じゃないでしょうか?

(完全に主観ですが、これはすごく嫌いですね(-_-;))

ちょっとニュアンスは違いますが、「釣った魚にエサをやらない」が似ていると思います。

何が言いたいかというと現在のご遺体界では当たり前のように

《思わせ振りな事をして、最後までご遺体の面倒は見ません》

(そうではない葬儀社は私が知っている限り1社くらい・・)

 

一番このご遺体従事の立場で気にしなければいけないことは

「したことによって産まれた悲しみをご遺族に体験させること」です。

したことによって産まれた悲しみ・・・・

これは難しい言い方なので、以下で分かりやすく説明いたします。

 


例えばある80代の女性が亡くなって、〇〇葬儀社にご遺体メイクを依頼します

(プランに入っているとかないとかあると思いますが)

その時にきてくれるメイクスタッフさんや、納棺師さんはとても綺麗にしてくれたとします。

ヘアアイロンで髪も綺麗に巻いてくれて、娘さんも「お母さんは昔からパーマをよくかけていて、とても綺麗好きな人でした!」と喜びました。 その後気になっていた口も閉じてくれて無事に家族で納棺しました。

 マダムに人気の髪型はこんな感じです(^^  ↑↑↑

出棺は明後日です。

「明日もメイクさんは来てくれるのですか?」と聞いたら

「いいえ、明日は来ません。体液が出たら有料ですが呼んでください。」と言われました。

 

翌日

納棺された女性の髪は沢山あてられたドライアイスの水分で巻きは取れてダレていました。

(女性ならわかりますよね! 雨の日は巻いても巻いてもダレます。水分によって、巻きがとれてしまった事です)

口も閉じていたはずでしたが、棺桶の素材のヒノキの影響で皮膚の乾燥を起こし、少し開いています。

(↑↑今度棺桶の素材についても説明したい。 皆さんが納棺について勘違いしています!!

納棺はメリットばかりではありません!!デメリットはあります!!)

 

遺族は誰も何も言いませんでしたが、ここで葬儀社およびご遺体従事者が気づいてあげなければいけないポイントは ’’ご遺族に2つの悲しみ’’が生まれているところです。

・もし、髪の毛を巻いてあげなかったら? →初めからそういうもの(巻かないもの)だと思います。

・もし、口を閉じてあげていなかったら??? →こちらも初めからそういうものだと思います。

いえいえ、問題はこれらをした事ではなく、「やるなら翌日も見に来て、最後まで面倒見てあげるべき」なのです。

(しかし、やらない選択肢は省きます。そして上記くらいの事ができないクォリティの低い遺体従事会社は契約しないほうがいいです)

ご遺族は「あぁ昨日綺麗だったのに、今日はこんな風になっている。でもメイクさんは来ないから仕方ないよね」と思うわけですね。

その時点でご遺族に「諦めさせている」という状況が出てきています。


以上が

「したことによって産まれなかった悲しみをご遺族に体験させること」の説明になります。

弊社はご遺体メイクは「納棺したその日」「翌日」「そして心配なら出棺前」の三回ご遺体を見に行くべきだと推奨しています。

無論、ご遺体管理学ではそうなっています↓↓↓

ヒノキの棺は水分吸収率が高いので、保湿をしていても納棺後のご遺体は毎日保湿を足さないとしわしわになります。

メイクに行くべき時間帯

第一回:死亡~3時間 変化の防止 やつれ症状、病苦顔ぼうの軽減 

第二回:3~48時間 変化に即したメイク (出現した変化のカバーメイク)

第三回:48時間以降 セレモニーのメイク (別れのための美顔的メイク)

 

しかし!!!!!!!

ここで遺体従事会社はこう言います。

「毎日見にいけない。人件費やガソリン代はどうするんだ」

と。。

いえ、ごもっともです。

内地の遺体従事会社は、東京~静岡 京都~神戸 までと、100キロ走ったりするのは当たり前です。

だからその理由はごもっとも、なのです。

では、沖縄はどうでしょうか???

沖縄自動車道路(南部から北部までつながっている高速道路)でさえ57.3キロメートルなのです。

さらには起点は那覇の南部中心なので、あくまで100キロ走ることは殆どございません。

すなわち「内地のような言い分は、沖縄には当てはまらず言い訳になる可能性」さえ感じられます。

(第一を業務にしたら、仕方ないでしょう。第一をご遺体にしている弊社の考えです。)

 

私は一度お会いしたご遺体に関しては、当日、翌日、出棺日の朝も必ずお顔の様子を見に行っています。

それは「ご遺族の不安をなくすため」そして「ご遺体が安心して旅立てるため」の補佐のプロであるからだと思っております。

(葬儀社があくまでもセレモニー重視でよいと思います。

ご遺体は片手間でしてはいけないと思う観点から専門は専門に任せるべきだと感じます)


ご遺体の生態の正しく理解できない人間が、ご遺体を語ってはいけません。

ご遺体の明日を知らない遺体従事者は、ご遺体を語るに値しないと思います。

 

 

現在弊社では「出棺まで見守りプラン」を全プランに導入しているので、無償で翌日も見に行っています。

そこでは沢山の気づきがありました。 全てのご遺体の常識は、そこでは通じませんでした。

皆さんに言いたいです。

ご遺体は毎日顔を変えます!!!!!

いくら机上でご遺体の勉強をしていても、現実はマニュアル通りではない、ご遺体の変化を目の当たりにした時の衝撃は本当に大きなものだと感じ、さらに自分の「わかっていた」という勘違い、思い込み、浅はかさに毎回気づかされます。

何か一つの分野でさえ、一人の人間が深く理解するのにはあまりにも多くの知識が必要とされると思うのです。

ご遺体に関しては ご遺体管理学、法医学、医学、細菌学、免疫学、解剖生理学、食品衛生管理学、メイク技術、化学、薬品・・・・他様々な知識が必要とされますが、全ては臨床理解だと感じます。

ご遺体に関して言えるのは 1+1=2ではないのです。

温度、湿度、病状、体型、年齢、性別、臨終時の様子、。。。

全ての点が線になり、

そのご遺体を作りだしているのです。

「死んだからこうなってしまった」

ではないのです。

 

必要な事は 処置にご遺体を合わせるのではなく、

ご遺体にあった処置をする事。

そして、最後まで、

ご遺体・ご遺族にしっかり寄り添う事。

この二つを徹底する事が出来て初めて「ご遺体従事者」と言えるのではないのかなぁと考えます。

人は、裏付けとなる知識以上のものは見えないのです。

残念ながら今日においては

知らないから分からない、

見えないということが、まかり通ってしまっています。

ご遺体の明日を知らない人は、ご遺体従事をするべきではない、と常に思います。



沖縄にはゆうに160社を超える葬儀社があります。

皆「真心」「誠意」「信頼」などのうたい文句を打ち出し、どれがよい葬儀社か消費者はわからないと思います。

そこで、一番、根本の基準は「ご遺体を大切にする担当者」かどうかを見極めてください。

消費者が無知だと、損をする時代なのです。(葬儀にかかわらずですよね)

会社のカラーはあれど、担当は個々の人間ですのでそれは前面に出てくると思います。

「良い担当がいる葬儀社の選び方」というタイトルで今度詳しく説明したいと思います(^^

 

 

 

 

 


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