今日における葬儀のメイクや処置に関しましては、
「そのようなセレモニー」風に見せた流れ作業になってしまっている現実がございます。
特に「死後の処置」に至りましては、先輩から後輩への口伝によるものが多く、
科学的根拠に乏しいまま、ほぼ全てのご遺体に同一の処置が施されてきました。
『ご遺体に合わせた処置ではなく、処置にご遺体を合わせている』というのが実情でございます。
しかし、ご遺体にはいわゆる「正解」がないため、誰も疑問を抱きませんでした。
人間にとって「死」は避けられない確実に訪れる現象であり、「いつ死ぬのか」「どこで死ぬのか」「どんな顔で死ぬのか」を選ぶことは非常に難しいものです。
そのため、死後のことは全く分からず、自分の死後の肉体について誰も不安を抱くことはありません。
では、「死後の処置」は誰のために行うのでしょうか。
私は「ご遺族のため」だと考えております。残されたご遺族が不安にならないよう、故人を「行ってらっしゃい」という安堵の気持ちでお見送りできるようにすること、それが目的ではないかと思います。
ご遺体には百人いれば百通りの状態があり、同じ方は一人としていらっしゃいません。
お一人お一人に合った適切な処置を施すこと。それこそがご遺体処置の根本であると考えております。
患者の病状や処方箋が一人ずつ異なるように、ご遺体も生前の状態を十分に考慮し理解したうえで、
その方にふさわしい対応を行うべきです。
つまり、ご遺体は患者の延長であると考えております。
例えば、病死された方の場合、その方がどのような生活を送ってこられたか、死亡直前の症状や状態は非常に重要です。そして特に大切にしているのは、その故人の尊厳を保つことです。
よく、ご遺体を表す言葉として「怖そう(KOWAI)」「汚さそう(KITANAI)」「臭そう(KUSAI)」「危険そう(KIKEN)」など多くの“K”がありますが、これらの悲しい憶測はすべて払拭すべきです。
一部の葬儀関係の企業や個人のホームページ・SNSなどに「ご遺体は危険な感染源であり大変危険」といった文言が見られますが、これは大きな誤解です。医学的・科学的に見れば、「ご遺体は危険で汚い」と感じたり口にしたりすることには根拠が乏しく、非科学的な事象であると考えます。
ご遺体に携わる者として強く思うのは、憶測や曖昧なことを口にしてはならないということです。
ご遺体は古くから「理解されないもの」として扱われ、尊厳はあって無いような状況でした。
状態が良くないことを、ご遺族やご遺体のせいにしてしまう現場も幾度となく見てまいりました。
「仕方ありません。ご遺体は変化が分かりにくいものですから」と、変化を問われても説明すらできない臨床現場は、今日においても全国に少なからず存在します。
「~だろう」「~だと思う」といった推測や曖昧な表現で言い逃れができてしまうのも、ご遺体という未知の領域の落とし穴だと感じます。
医の倫理と遺体管理の倫理、という言葉がございます。
「全ての患者は平等、全ての遺体は平等」
私はこの言葉をとても大切にしております。
全てのご遺体に平等に接すること、その尊厳を守るために具体的に何をすべきかを考えること、
なによりご遺体を敬うことを第一に考えております。
言葉で「尊厳を守る」と述べるだけでなく、それを可視化することが大切であると考えます。
『株式会社おもかげ』はご遺体のケアをはじめ、病院や介護施設におけるエンゼルケアの支援、
そして大切なご遺族へのグリーフケアまで、しっかりとサポートさせていただきます。
まずは沖縄県への恩返しの意味を込め、ここから活動を始めます。
沖縄県のご遺体が皆様から愛される存在となるよう、全力でお手伝いさせていただきます。
ご遺体への深い愛情と、ただひたすら彼らのために尽くしたいという信念は、誰にも負けない自負がございます。わたくしはご遺体処置に人生を捧げております。
ご本人様、ご遺族様のためにどのようなことがあっても、
最大限の努力を続けてまいります。
株式会社おもかげ
代表取締役 嘉陽果林
(追伸)わたくしがここまで頑張れたのは、数少ないご遺体業界の名教授、医療関係、宗教関係、葬儀関係、グリーフケア関係のわたくしが信頼する先生方、先輩方のおかげであります。これからも怠慢することなく、ご遺体とご遺族の事だけを考えて、ご遺体業界のブレーンになれるように常に勉強していきたいと思っております。